ヘボン式ローマ字

ヘボンさんが作ったといわれるヘボン式ローマ字ですが、ちょっと意外な事実があるのです。

ヘボン式ローマ字と言われる原因は、「和英語林集成」にあるのです。

この辞書の見出し語に使われたのが、ローマ字表記による日本語なのでした。例えば「掘る」という動詞の場合、

horu = ホル / 掘る = (他動詞)  dig  〔 穴を掘る dig a hole 〕

こういう風に辞書に説明されていたと思われます。まず最初に日本語の言葉をどう発音するかアルファベットで表記することで、欧米人が日本語を発音することが可能になったわけです。


しかし、この「日本語のローマ字化」という試みは実はヘボンさんの発明ではありませんでした。

ヘボンさんの辞書ができあがるずっと前、16世紀にポルトガル人によって試みられていたのです。

ヘボンさんはこのローマ字化を採用し、更に和英語林集成が3版を重ねるときに、「羅馬字会※」という団体が制定していたより正確な発音に近いローマ字表記を採用したのです。

※日本語から漢字や仮名をなくしローマ字を使うことを目的につくられた団体

ヘボンさんがこの羅馬字会の顧問として迎えられ、このローマ字表記を採用したことで、「ヘボン式」と呼ばれることになったようです。

ヘボン式で有名なヘボンさんは数々の素晴らしい偉業を残した人ですが、一番有名な「ヘボン式ローマ字」の発明をしたわけではない、という事実は面白いですね。

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